【俺の屍を越えてゆけ(PSP)】紹介・感想

ゲーム日誌
ゲーム日誌

ネタバレは無いつもりですが一部スクリーンショットを使用しているので一応注意を。

概要

プレイステーションで1999年に発売されたゲーム「俺の屍を越えてゆけ」のリメイク版(2011年発売)をプレイし、ようやくクリアしたのでやったことない人向けに感想を紹介形式で書いてみます。

おいおい10年前のゲーム(実は22年前のゲーム)の感想かよと言われそうですが、まあこういうのはいつやってもいいじゃあないか。
移植が来ない限り(特にPSP版は)PSストアでの販売が終了してしまったら遊べる機会は相当限られてくるハズなので、まだギリギリセーフ!
なんとPS版のアーカイブスは600円強、PSP版も1500円弱で買える!(媚びを売る)

きっかけは、いつかやるだろうとPSP版をVitaに入れて寝かせること早数年。
Vita版PlayStationStoreの終了騒ぎもあり、ふと目に留まったので満を持して初プレイ。
とはいえ以前プレイ動画を見たことはあったので初見プレイとは違うのですが。
もともと買ったのも動画を見て面白そうだったからなので、プレイスタイルも多分に影響を受けているはず。

どんなゲーム?

ゲームシステム

時は平安時代、とある事件から主人公は「短命と種絶の呪い」をかけられてしまいます。
それによって一族は人と子を残すことができず、寿命も2年弱程度しか生きられないという辛い状況に。

呪いをかけた「朱点童子」を打倒し呪いを解くため、一族は人とではなく神様と子孫を残し、
神様の遺伝子を取り入れていく事によって素質を高めて力をつけていくというシステム。

ステータス画面。 右のゲージが能力の伸びを表す素質ゲージ。

基本的なゲームシステムは一般的なコマンドバトル式のRPGのような感じですが、先述の通り1キャラあたり2年弱しか生きることができないため、寿命が尽きる前に子を残して次世代につなぐ必要があるというのが大きな特徴。
1か月毎にダンジョン攻略をするか、交神をして子孫を残すかなどを選択し、計画を立てていくという一族経営シミュレーション的な面も。

キャラクターシステムにおいてはマスクデータやランダム要素が多く、↑のステータス画面の素質ゲージは静止画だと伝わり辛いですがビヨンビヨン揺れており、思ったより能力が伸びなかったり、逆に予想より強くなってくれたり、それぞれのキャラクターに良い意味でデータらしくない魅力があったりします。
手のかかる子ほどかわいい。

戦闘画面
キャラクターシステム

主人公の一族となるキャラクターにはそれぞれランダムに顔グラフィックが与えられますが、親の素質に応じて髪・目・肌の色が変化するので、顔が似ていなくても何となく親子だな~とか兄弟だな~と感じる事が出来たり、ランダムだからこそ上手くハマった時にニヤリとできたり。

2年弱の一生の中で普通の人間と同じように成長期や老化があり、晩年には健康を損ねて能力値が落ちていき、やがて寿命を迎えます。
その中でプレイヤーはいつダンジョンに出陣して成長させてあげるか、いつ子供を残すか、いつまで第一線で活躍させてあげるかなどを考えながら代を重ねていく事になります。

家族計画にしても、良い素質を持っている一族を優先的に交神させて優秀な遺伝子を残していく効率プレイから、どの一族も平等に子孫を残していくロール重視のプレイまで幅広い運用が可能で、全体的にプレイヤーに委ねられる部分が多いシステムになっています。

今回は遺伝子の選り好みをせずひたすら縦に血を繋げていくプレイングをしたので↓のような家系図に。
初代以外で枝分かれしているのはたまに生まれる双子ちゃん。なぜか2連続で引いて家族計画が崩壊している模様。

伸びていく家系図

ここが面白い!

妄想をかきたてる多くを語らない一族たち

このゲームを一番楽しめる人は「妄想たくましい人」です。
私は「世界樹の迷宮」や「セブンスドラゴン」などのキャラメイクゲーを好んでプレイするので、こういう人は特にピッタリ!

自分で名前を付けて、育てて、子供を残させて、一生を見届けるとどうしても愛着は湧いてしまうもので。

一族は最期の瞬間に一言遺言を遺していくものの、それ以外で喋ることはほぼありません。
それ故にキャラクター同士の関係性や性格自体をプレイヤー自身で妄想することができ、ゲーム側もそれを阻害しないようになっています。
たまにあるフレーバー的なテキストや遺言も、プレイヤーの都合のいい解釈で「めっちゃキャラに合った台詞出してくるやん…」と感じることができたり。
占いを見て「当たってる気がする…!」と思うのと同じだね!…同じかな?
こっちはバーナム効果と言うらしいですが。

これによってそれぞれのプレイヤー毎に筋書きのないドラマが生まれたり、異なるゲーム体験をする事で「自分だけの一族」を作っていく事ができるというのが一番の魅力。

そのキャラクター一人一人「こいつは仲間思いの良いやつだった」「こいつはサイコパスの戦闘狂だった」「こいつは一族にとっての英雄だった」というように愛着を持つことができます。
最初に書いた通り、ここまで妄想できる人がこのゲームを最高に楽しめる人種だと思います。

自分の妄想とゲームが嚙み合った瞬間最高に気持ちよくなれる。
これが全て。

遺言
上手くいくとは限らない継承システム

一族は神様との交神を通じて子孫を残しますが、優秀な素質が受け継がれるとは限りません。
人間側も神様側も母系と父系の2つずつ遺伝子を持っており、受け継がれるのはどちらか2つ、表出するのはさらにその中の1つ。(要するに隔世遺伝がある)

この継承の成否によって一喜一憂しつつゲームを進めるわけですが、たまに超絶優秀な素質を持った子が生まれると、ステータス画面を眺めるだけで楽しめたり。
ただその優秀な子もそのうちに寿命を迎えてしまうため、感情のジェットコースターを楽しむことができることウケアイ。

神様の遺伝情報画面
キャラロストあり、緊張感のある戦闘

一族は短命の呪いを受けている事でもともと寿命が短いですが、戦闘によって体力が0になると天寿を全うすることなく命を落としてしまうことがあります。
仮に死亡しなくても健康度が著しく下がり、次の月には休養を余儀なくされる事も多いなど、間違ってもキャラクターの体力を0にさせないようなプレイングが求められます。

戦闘中のダメージも大味で、後半でも一撃で体力の大半を持っていかれたり、十分に育っていない状態では即死もあり得るようなバランスになっており、戦闘では緊張感を持ってプレイすることができます。
その分プレイヤー側の技力(俗にいうMP)も多めになっていて、回復術や攻撃術をあまり温存する事なく戦うことができます。
また、攻撃力や防御力・各属性のバフなどの効果が非常に大きく、重ねがけも有効なため術の応酬になりがち。
結果的に大味な戦闘が楽しめるようになっています。

といいつつ難易度はそこまで高くないので、明らかなミスをしなければ慎重にプレイしている限り体力が0になることは少ないかと思います。
その分やってしまった時の罪悪感がハンパナイ…。でもそこがイイ…。

重い設定ながら明るいテキスト

一族がバタバタと死んでいくので設定的には重くなりがちですが、テキストの雰囲気は明るいものが多いです。
といっても明るさの9割は一族のお世話をするために天界から遣わされている「イツ花」のもの。

一族の面々が喋らない分、世話役であるイツ花が出陣結果や発生しているイベントなどに関して喋りまくるため、精神安定剤として活躍してくれます。
そのテキスト内容がくだけた口調のため、重めのメインシナリオと中和されて真面目過ぎない明るい雰囲気を作り出してくれているのです。

やたら丁寧な要素の解説もゲーム内でイツ花が面白おかしく説明してくれるぞ!

豊富すぎる解説テキスト
途中でやめにくい

余談チックな話ですが、RPGって途中で中断してやめてしまうケースがわりとよくあるのですが、このゲームは心情的に投げ出しにくいというか。
愛着のあるキャラクターが何人も死んでしまっているので「ここでやめたら彼らの死が無駄になる…!」という思考になり、何としてもクリアするという意思が生まれがち。

…入れ込み過ぎ?

注意が必要な点

攻略上気付きにくい要素がある

交神相手の神様の中には初めから選択することが出来ず、ダンジョン中で何らかの条件を満たす事で解放できる神様も存在します。
この条件がイマイチわかり辛いケースがあり、攻略サイトなどに頼らないプレイではストレスになるケースがあるかもしれません。

神様に関してはクリア上必須のケースは少ないため、コンプリートを目指さなければそこまでの問題にはならないのですが、その他にダンジョン内のドロップで入手できるものの中に「術の巻物」があります。

「術」はドラクエでいう「ホイミ」「メラ」のようなものですが、術を習得するためには術の巻物をダンジョン内で入手する必要があります。
これが特定のダンジョン、特定の階層、特定の敵のパターンごとに設定されているため、クリアにおいて重要な術を入手するのが難航するケースがありそう。
とはいえある程度複数のパターンで入手できるようになっているため、ある程度の探索も要素として楽しめるというプレイスタイルの人には問題ない範疇かなと思っています。

何が言いたいかというと解放要素でストレスを溜め込むくらいなら攻略見ちゃうのがおススメですよ、という話。
このゲームは攻略が分かってても楽しめるゲームだと思っているので。

まとめ

オリジナルはPS時代のゲームですが、PSP版はいろいろ調整が入っていたり、ダンジョン内のグラフィックも一新されているため、古臭さは感じずにプレイする事が出来ます。
…PSP相当なのでPSPが古臭いと感じられるとちょっと話が変わってくるんですが。まあPSPは最新機種なので問題ないでしょ。
UI周りも割と親切になっており、アイテム整理などもノーストレス。

ランダム要素多めなゲームという事で、完璧なプレイを求めてしまうとストレスを感じてしまう部分もあるかもしれないので、ハプニングも楽しみの一つと捉えつつのんびり楽しむくらいがいいのかなと。

緊張感やドラマ的な意味でも是非ノーリセットを推奨したい。
人生晴ればかりではないという事で、その分晴れがより良いものに感じられるはず…!

余談

そもそもこのページは自分用に我が「高柴一族」の記録を残すために用意したはずだったのに、思いのほか所感を大量に書いてしまった…のでこれはもう紹介記事という事にして、記録は別ページに分けませう。

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