【VB】レッドアラーム【レトロゲーム探訪記】

ゲーム感想ゲーム日誌レトロゲーム探訪記
タイトルレッドアラーム
ハードバーチャルボーイ
発売日1995/7/21
ジャンルシューティング
発売元T&Eソフト
開発元T&Eソフト
ネタバレレベル:特にネタバレへの配慮無し

ゲームについて

先日2025/7/21で30周年を迎えたバーチャルボーイ。
バーチャルボーイがどんなゲーム機なのかというところに関しては、先日投稿した記事を見ていただくとして…。
バーチャルボーイの日本発売の総ソフト数は19本…今回はその中でも最高傑作と名高い「レッドアラーム」をやってみました。

プレイ自体は実機で行っていますが、バーチャルボーイは映像の外部出力が不可なため、ゲーム画面のキャプチャが困難でございます。
ということで、記事に使用しているゲーム画像はエミュでなんとな~く同じような場面を撮影して用意してます。

では肝心のレッドアラームというゲームに関して!

レッドアラームは、かつて存在した「T&Eソフト」によって開発・販売された3Dシューティングです。
他のゲームで有名なのは遥かなるオーガスタなどでしょうか…。
何故かバーチャルボーイにかなり力を入れていたようで、本作をローンチタイトルとして発売しているほか、「T&Eヴァーチャルゴルフ」というゲームを1ヶ月足らずで立て続けにリリースするなど、サードパーティの中でも貢献度はかなり高かったように見えます。

特徴的なのはどちらのゲームも3D空間をしっかり遊ばせているという点。
任天堂ですら2Dゲームを階層化したようなゲームが大部分を占める中、明らかに一線を画しています。

本作のストーリーはこんな感じ。
シューティングゲームはゲーム中にストーリーがよく分からない事が多いですが、本作も御多分に洩れずよく分かりません。

要約すると、長く続いた戦争が終わりを告げ、反省した人類は兵器を次々と解体していった。
…が、衛星軌道上に存在するつよつよ自動戦闘システム「カオス」が停止しきれておらず、人類に対して反旗を翻す。
既に兵器はほとんど解体してしまい、人類側に残っているのは1機の戦闘機だけ…!
…という感じですね。

そしてこちらが我らが自機、レッドシェイフィス!
機動力・耐久力共にとっても頼りになるナイスマシン!
一緒に頑張ろう!

やってみた

スイッチオン!
バーチャルボーイは起動後に注意書きが表示されます。
この画面表示中、画面がちょっと歪むと共に本体から駆動音がしているので、ミラーの調整でもしてるんですかね…おもしろい。

そしてバーチャルボーイの画面は赤のモノクロ4階調!
つまるところ色数的には赤いゲームボーイってとこですね。

で、それが終わると左右の画面調整になります。
こちらは右目用ですが、左目用は左上と右下に「VB」の矩形が表示されていて、両目で見てちゃんと四つ角に矩形が収まるように調整を行います。
これによって左右の目の位置に合わせて適切な3D画面が出力できるわけですね。

そしてバーチャルボーイは全ソフト共通で、オートポーズという機能が搭載されています。
これはプレイ時間が15分を超える度にキリのいいタイミングでポーズをかけてくれるというもの。
あくまでキリのいいタイミングなので、突然切れることはなくステージの切れ目などになります。

「オートポーズなんて大きなお世話だろ」と思っているそこのあなた…バーチャルボーイを舐めない方が良い…。

「T&Eソフトプレゼンツ…」
バーチャルボーイは音声も短いものであれば再生できる仕組みらしい…。

続いてオープニングムービー!もうしっかりしてるのが分かる…。
見ての通り、このゲームはワイヤーフレームで描画された3D空間を縦横無尽に動き回れるシューティングゲームなのだ!

ワイヤーフレームなので画像では線が重なって見辛いものの、実機では奥行きがあるのでしっかり見えますよ。

立体でお伝え出来ないのが本当にむず痒い…。
「ああ、本当はちゃんと見えるんだろうなあ」と脳内補完してください…。

タイトル画面!
オプションは操作ボタンのパターン選択、難易度選択などが行える、マジの充実したオプションです。
この時代においてはかなり行き届いているのでは?

いよいよゲームスタート!
全5ステージ+ラスボス戦になります。

カメラがぐるっと回りこんで…。

いざ発進!
開始の画面からもうカッコイイ。
UIもカッコいい!(でもちょっと見辛い)

左下がシールド、要するに体力です。
右下はスピードメーターで、AとBで加速/減速すると切り替わります。
減速し続けると後退します。
正確に言えばスピードメーター+ギア表示かしら…。

上段左右はアイテムの取得状態で、左上はホーミング弾の強化、右上はブースター。
ダメージを受けると壊れていきます。

自機も敵も地形も全てがワイヤーフレーム!
ワイヤーフレームからしか摂れない栄養、あると思います。
必須栄養素な方はぜひプレイすべきでしょう。

操作感は「スターフォックス」をイメージしてもらえればそれが近いです。
ただ移動の自由度はこちらの方が高く、常にオールレンジモードのように全方向へ移動することができるうえ、より小回りが利く操作が用意されています。
なのであくまで近いだけで、そのイメージで操作していると本作の小回りの良さを活かせずに爆散します(数敗)

と、いうことで一旦ここで操作説明。
機体操作をざっくり分解すると、

L十字ボタン:旋回移動
R十字ボタン:スライド移動
Lトリガー:押してると急旋回
Rトリガー:攻撃
A/B:加速/減速~後退

スライド移動は回避や移動に大変便利だったり、減速や後退によって引き撃ちなどが行えるなど、この辺りがスターフォックス感覚でやってると忘れがちなところ。
説明書に書かれている「しっかり覚えないと攻略は難しいぞ!」というのはあながち間違ってないですね。。
しっかり覚えるとハイスピードで縦横無尽に動き回れて楽しい!

敵を倒すとたまにアイテムが出現して…。

GET BOOSTER!

めちゃ凝ってるやないかーい!
いやホント作りが丁寧ですよコレ。
文字のアニメーションはもとより、静止画だと分かり辛いですが、パーツが自機にぬるっと合体してます。

敵の方向を向くとその敵が「ロックオン状態」になります。
これによってアバウトな射撃でもなんとなく撃墜することができるのだ!
俺たちは雰囲気でシューティングをやっている…。

撃破エフェクトも爽快感バッチリ。

先述の通り、敵に当たるとパーツが壊れてしまいます。
シールド値(体力)は減らないので、肩代わりしてくれているともいえる。
基本的に雑魚相手ならシールドは1被弾で1減少なので、被弾に関してはシューティングゲームとしてはかなり優しい部類な気がしますね。

弾が近い!(手前の三角錐)
近いよ!!!(立体視)

ウワー!レーザーも来るぞ!
手前に来るぞ!!!(立体視)

…というように立体視とゲーム性の相性はバツグン。
セレクトボタンの視点変更でコックピット視点にするのもいいぞ!

いやー、ステージの景色もちゃんと作りこんであって飽きませんね。
地上を人々が逃げ惑っておられる。
ちゃんとワラワラしてるんですよ~これ。

中ボス出現!
ここは減速→停止しての射撃ができるかどうかが運命の分かれ目。
それさえできれば難しくないですが、止まることを知らないイノシシハートだと余裕で爆散できます。
立ち止まることを教えるステージ1中ボスの鑑だあ。

撃破したら穴に入って先へ!

なんやかんやでステージの最後…。

…するとカメラがグイっと…。

DANGER ZONE!
ということでボスエリアに遷移!
場面転換までカッコいいじゃん…。

あいつがボスですね。
停止!後退!引き撃ち!射撃連打連打!!!!

成敗!
ボス撃破時はカメラ演出が入り、メッシュ破壊ならぬワイヤー破壊で崩壊。
爽快感バッチリ!素敵やん…。

クリアするとシールドと燃料が清算されてスコアに加わります。
燃料はさりげなく画面上部に表示されており、時間と共に減少していくので実質制限時間のようなものです。
普通にやってたらあまり燃料切れにはならないので、かなり優しめの足切りかなと。

次のステージに行くかリプレイを見るか選べます。
リプレイまであるのか…。

リプレイはカメラを回転させて好きな視点で見たりして…しっかりしてる…。
何でこんなに行き届いてるんだ…。
バーチャルボーイ比でよく出来すぎててむしろちょっと引く…。

ステージ2は洞窟!
(洞窟だということが)分かる…分かるぞ…!

敵も洞窟らしくコウモリっぽいやつとか。

中ボスのドラゴンさんが火を吐いていたりとか。

水が流れ落ちる中を先に進んでゆくよ~。
ギザギザが水流なんです…!実機だとちゃんと立体で流れ落ちてて滝なんです…!

ボスも撃破…!
引き撃ちを基本にしつつ、蜂の取り巻きがいたり、突進に対してスライド移動の回避を求められたり、着実に難しくはなってますがまだ大丈夫なレベル。

ボスも全員個性があって、なおかつちゃんと攻略法が用意されているのがすごい!
でも後半は普通にムズイ!!!

ここでオートポーズ発動!
いやこんなのいらないって続けて…。

……。

…いや、ちょっと休憩を…ありがとうオートポーズ…!(手のひら返し)
酔ってはいないけどちょっと疲労度は高め、加えてサウンドの音量が最小にしてもちょっと大きいので、それもあってガンガンくる感じはあります。
映画館感がスゴイ。

再開!ステージ3は水中面!
水面の表現もバッチリ。
画面が横長だから、高さがあるステージはちょっと見辛いとこもありますね。

この辺りになるとガンガン上下移動させてきます。
これを高速で駆け抜けると臨場感がスゴい。ヤバい。
そして慣れるとそれがカンタンにできるのがレッドアラームの良いところ。

ボスも撃破。
ここは複数ボスが相手ですが、引き撃ちしつつ各個撃破すれば大丈夫。

ちょっと記事が駆け足になってきましたが、ペース上げないとヤバそうな気がしてきたので…。
画像もう40枚超えてるし!

ステージ4は遺跡っぽい感じ。
こういう形状が分かりやすいステージこそ立体視が映えますねえ。
柱の間を駆け抜けるとそれはもう気持ちがいい!

こんな感じでワープゾーンのような表現があったり。
初見はこれを逃して迷子になりました。

この辺りからだんだん難易度が上昇してきて、適当にやってると普通に死んだり。

ボスはトーテムポール。
時には分離して鬼のように弾を発射してきて結構ムズカシイ。
周囲を回転しながら撃ってくるので、横スライド回避だと被弾しがち。
焦らずに上下の縦スライドによる回避で安定性が増した気がします。

さて、ステージ5は基地のようなエリア。
恐らくカオスの内部に侵入してるのかしら?
新ギミックもあるぞ!

次はラスボスと戦うだけのステージなので、ここが実質最終ステージ。
その名に恥じぬ難易度をしています。
…というかこのステージだけ難易度おかしくないか?というくらい差があるように感じます。

まず普通に敵が多い。ヤバい。
でも慣れたらコース取りでなんとかなる。シューティングゲームの鑑。

が、本当にヤバいのはボス!

まず取り巻きが多い。弾速の速いビーム撃ってくる。
撃ち漏らすとボスと戦ってるときに集中砲火されて死ぬ。ヤバい。

そしてボス自身も無敵形態あり、攻撃激しめと、容赦のない調整。
まあグラディウス(程ではないが)よろしくラスボスがそんなに強くないので、実質彼がラスボス。
そう思えば頷ける難易度ではあります。

取り巻きをちゃんと処理し、ボスを見失わないのがまず大事。
ボスが形態変化したら、多少のごり押しを厭わず引き撃ち回避撃ち!
…でなんとか行けるかも…安定させる自信はないかも…。

で、いよいよファイナルステージです。

彼がラスボス。たぶんカオスだと思うんですけど。

固定されているので動いたりはしません。
とりあえず四方の鎖を壊していきます。全部壊しても動き出したりはしないのでご安心を。

全部壊したらひたすら本体に弾をぶち込む!
風車のような攻撃がちょっと厄介ですが、自機の弾で相殺できます。

滅…!

そしてシューティングゲームのお約束、爆発する敵基地からの脱出!
操作なしの演出なのでここで死んだりはないです。安心!

脱出しながらスタッフロール…。
素晴らしい。徹頭徹尾とはこのこと。

脱出!

星空!

終わった…。

感想

圧倒的没入感

まずバーチャルボーイのウリである、視界を覆う事による没入感。
真っ暗な視界の中にスクリーンが浮いている中、立体視によってめちゃくちゃ臨場感があります。

そもそもバーチャルボーイがモノクロな理由として「画面の端を意識させない」というものがあると聞いたことがあります。(出典は忘れた…)
要するにこういう事です。

まあUIもありますし、結局画面の端というものはあるのですが、少なくとも端が分かり辛くなるという意図は分かります。
この思想とワイヤーフレームという曖昧な表現はとてもマッチしていて、かなり迫力のある映像が生み出せているのだと思います。

そして加速・急旋回による立体的な機動により、圧倒的なスピード感を感じることができます。
このあたりの表現や操作・ゲームデザインすべてがマッチしているのが素晴らしいです。

その代償としてちょっと疲れる…。
人によっては酔いに酔う人もいるでしょう。

ゲーム自体は1周30分、そんなに長くかかるものではありませんが、疲労度を考えると「ゲームオーバーになってやり直したくない…」という気持ちが強くなります。
あれ…これも没入感…?

一貫したワイヤーフレーム表現の世界観

中途半端にスプライトを使用せず、全てをワイヤーフレームで表現する世界観は非常に見応えがあります。
もちろん多少見にくいところもありますが、敵やステージなど、随所に創意工夫が見られます。

また、ワイヤーフレームだからと妥協せず、滝や水面、炎やレーザーなど、しっかりとできる事で表現しようとしているのもポイントが高いです。
これによって赤一色にも関わらず5ステージ全てで印象がガラッと変わり、飽きずに楽しみ続けられる一因になっていると感じます。

また、スピード感を感じるという点において、ワイヤーフレームは秀でていますよね。
立体視で高速に動き回るゲームデザインとの相性は最高です。

縦横無尽に飛び回れる操作性

3Dゲームの課題の一つ、それは三次元的な移動を支える操作性だと思います。
特にシューティングゲームは機体が浮いているため、本当に上下左右前後全てに移動しなければなりません。

このゲームはそれを「R十字ボタンによるスライド移動」「A/Bボタンによる加減速と後退」「Rトリガーによる急旋回」によって解決しています。

スライド移動によって瞬時に左右と高低を切り替えられ、回避やアイテム取得のストレスを無くしてくれます。
また、後退を可能にすることで難しい旋回や反転を入れる事無く、簡単に引き撃ちや背後への対処を行う事ができます。
急旋回は本当に急旋回で、壁の近くでもUターンのような挙動ができます。
スピードを出していても、急旋回を覚えていれば曲がり切れないということはほぼ無いはず。

また、壁の接触によるダメージも本作は存在しないため、移動によるストレスは限りなく0に近いと感じました。

小ネタを入れる余裕

このゲーム、特定の箇所を撃ったり道を戻ったりすると、特に意味のないオブジェクトが出現します。
これはステージ2のドラゴンの右奥辺りを撃つと出現する水着ギャル…。

これはステージ1のどこだか…を撃つと出現するバーチャルボーイ!

これはステージ2をちょっと進んで戻ってくると出現する恐竜の親子!ちょこちょこ歩いててかわいい!
ちなみに親恐竜は撃ち殺すことができ、その場合は子供たちから復讐の弾丸を受けることになります。

これ以外にもこのような小ネタが無数に転がっているらしく…開発も楽しんで実装してそうな感じがして良いですね。
ワイヤーフレームのテスト用に色々作ったのかしら…。

まとめ

本当にバーチャルボーイにしておくにはもったいない…よくできたゲームです。
いや、むしろバーチャルボーイでこそ活きるゲームですね。
よくぞこのゲームが19本の中に存在してくれていたものだと思います。

近年はVRのヘッドマウントディスプレイもありますが、当時ならではの表現含めこのゲームでしか味わえない体験は間違いなくある、と言えるのかな~と感じます。

サウンドもBGMは全体的にアップテンポなものが多く、ノリノリでスピードを上げていきたくなります。
波形メモリ音源によるチップチューンというのもワイヤーフレームのバーチャル的な世界観にマッチしててすごく良い…!

バーチャルボーイのゲームは9本持っているのですが、このゲームの完成度は明らかに浮いてます。
ビジュアル・作りこみ・遊びやすさ・サウンドなど、なぜかこれだけ完成度が突き抜けてます。
バーチャルボーイを持っていてこのゲームをやらない理由は無いです。

ではまた次回お会いしましょう…!

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